歌手堺正章(76)を中心とするクラシックカー愛好家らによるイベント「SUPER MUSEUM」(協賛PIZZA-LA)が26日、東京・六本木ヒルズアリーナからスタートした。今回が第1回。クラシックカーが走る姿を見てもらうほか、当時の匠(たくみ)の情熱を感じとってもらうことを目指しているという。

堺が所有する「48年式マセラティ A6GCSモノフェロ」を先頭に、21台が六本木をスタート。静岡・富士スピードウェイまでを2日間かけて往復する。

堺は主催者として「こんなにすてきな車たちが、この六本木ヒルズアリーナに集まってくれました。人生最良の日だと思えるくらい、すてきな車たちでございます。このすてきな車をぜひ目に焼き付けてお帰りいただけたらうれしい。こういう車を持っている方は普段ガレージから出さないのですが、今回は出てくれました。普段から、人にはよくしておくもんだな」とあいさつした。

堺とクラシックカーとの出会いは90年までさかのぼる。イタリア旅行の際に訪れたクラシックカーイベントだった。「ミッテミリアというイベントで、大人がこんなに子どものように情熱的に、笑みを浮かべて3日間走り抜くイベントがあるんだとうことを知りまして。そこからはまってしまいました」。自身の車についても「この車は48年で、僕が46年生まれ、2歳違いの妹みたいな感じ。技術がまだ発達していない中、人がどうすればすてきなものを作れるんだろう、という熱意を感じることができる。そこに魅力を感じます」と語り、設計は戦前だったことや、車で生まれるまでのいきさつを語った。堺によると、同車は13台生産され、現存は3台で、ほかベルギーとドイツのオーナーが所有しているという。

気になるのは価格だが、堺は「下品な質問はやめてください」と語るものの、今回集まった21台を合計すると、市場価値は80億円にも上るという。

堺は「僕もこの車を墓場まで持っていけないので、誰かに継承していただきたい。その時に、できれば今日ある名車たちが、日本国内に残っていてくれたらうれしい。海外に出てしまったら、もう2度と日本に戻ってこないかもしれません」と訴えた。

また、俳優唐沢寿明(59)が運転する59年式ポルシェ356Aも参加。