イッセー尾形(71)小日向文世(69)大泉洋(50)の3人芝居による舞台「ART」のゲネプロが26日、東京公演の会場となる世田谷パブリックシアターで行われた。

フランスの劇作家ヤスミナ・レザによる戯曲で、親友の男3人が1枚の絵をめぐって大ゲンカを繰り広げる中で、人間関係があぶり出されるコメディードラマ。20年上演の予定がコロナ禍で公演中止となったが、3年の歳月を経て、日本を代表する俳優陣と、スタッフが再び集結した。

東京公演は27日から来月11日まで。その後、大阪・サンケイホールブリーゼ(6月15~25日)福岡・キャナルシティ劇場(6月29、30日)愛知・東海市芸術劇場 大ホール(7月7~9日)長野・まつもと市民芸術館(7月15、16日)と続く。

3人のキャストはそれぞれ、コメントを寄せた。

▼イッセー尾形コメント

滑稽でもあるし辛辣(しんらつ)な内容でもあるけど、1回壊れたものが思いもよらないかたちで再生していく、そういうキラキラした可能性を色々投げかける作品にしたいですね。きっとご覧になる人たちによって見方が変わるかもしれない作品かなと思います。

3年前とくらべて濃度が上がっている分、頭で考えることと身体を使うことが増えて疲れますが(笑)、この3年という時間も作品に反映させていきたいです。小日向さんも大泉さんも3年ぶりに共演できてすごく楽しいです。人となりがお互いにわかっている分やりやすく、配役がそれぞれに合っているなと改めて思います。

大千穐楽に向けて新たな発見もあると思うので、1ミリ1ミリがんばりたいです!

▼小日向文世コメント

3人が元気でそろったってことがやっぱりうれしいです。3年前の初演はセルジュの役どころを生真面目な人として捉えてたので、貶されることに対してものすごい反発心やマルクに対してもっと神経質だったんですが、今回はもう少しラフな感じに役作りして、気持ち的にすごく楽になれました。

初演はほんとうに大変で余裕がなかったんですが、今回はイッセーさんの表情を見ていたり、大泉くんとセリフを交わす時に余裕ができて楽しいですし、年齢を重ねたことで役に対しての力が抜けた分見え方もだいぶ変わっている気がします。

3年越しに稽古をしてそれぞれが役を楽しんで出来ている部分があると思うので、三人三様を楽しんでみてもらえたらと思います!

▼大泉洋コメント

3年ぶりにまた同じメンバーで芝居が出来ることに幸せをかみ締めながら稽古しました。

前回の公演のときよりも深く解釈できた部分もあり、3年前とは明らかに違う「ART」になりました。イヴァンという役もさらに深めることが出来たと思うし、3年前とはみんなビジュアルも含めていろいろと変わっているので(笑)、初演を観た方も違いを楽しんでいただけるかと思います。

演出の小川さん、イッセーさん、小日向さんと、芝居を作っていく過程は相変わらず居心地が良くて幸せな気持ちでした。1時間半の舞台を1カ月稽古して「セリフの一言一言にどういう背景があるのか」っていうことを話し合いながら創っていく作業は役者にとっても大切な時間だなと思いました。

今回は東京から始まって、大阪、福岡、愛知、松本と巡るのでいろんな土地で「ART」がどんな風に受け入れられるのか楽しみです