第76回カンヌ映画祭で脚本賞を受賞した「怪物」の坂元裕二氏(56)が29日、授賞式から一夜明けて東京・羽田空港に帰国した是枝裕和監督(60)とともに会見を開いた。

質疑応答の中で、是枝監督に18日の公式上映の際、がんの闘病中に映画音楽を担当し、3月28日に亡くなった坂本龍一さんの楽曲ではなく、99年のカンヌ映画祭でコンペティション部門に出品された、北野武監督(76)の映画「菊次郎の夏」のテーマソングとして久石譲氏が作曲した「Summer」が流れたが? と質問が出た。

是枝監督は、映画祭側から事前に、レッドカーペットを歩く際の曲を「何にしますか?」と聞かれ「坂本龍一さんの『怪物』のテーマ曲」と依頼したと明かした。ところが「かかったのは久石譲さんで。何かを、間違えたんでしょう…歩き始めたけど。公式上映を終わって出てきても、まだかかっていたので。大好きな曲なんですけど、なぜ、あれだったのか分からない」と笑いながら振り返った。

さらに「授賞式で、レッドカーペットを歩いていても『たけし』と声をかけられましたので、もしかすると、どこかで違って、いろいろなことが伝わったのでは?」と笑った。

そして「良い曲ですけど、せめて坂本さんの曲にして欲しかった。(映画祭側に)言っておきます」と笑った。