新潟に来て初めて越後姫を食べたときの衝撃は忘れられません。私の出身地・栃木県は「とちおとめ」の生産量日本一。幼い頃から頻繁に食卓に並び、イチゴに関しては舌が肥えている!…と思っていたのですが、越後姫の想像を超える甘さと果汁感に一瞬で心を奪われました。
それ以来、新潟で買うイチゴは越後姫と決めている私。先日、入社4年目にして初めて越後姫の取材へ行く機会ができました。訪ねたのは県内2番目の生産規模を誇る五泉市の農家さん。栽培ハウスに一歩足を踏み入れた途端、ふわっと甘い香りに包まれました。間近で収穫作業を見ていると一粒一粒にかける愛情が伝わってきます。大事に育てたイチゴを手放すのは寂しいのでは。そう思って聞くと「これが誰かの元に届くと思えばうれしいものだよ」との答え。今年は今まで以上に、一粒一粒を大切に味おうと心に誓った瞬間でした。
そんな幸せな気持ちで取材を終えると、ちょうどお昼時。車で5分ほどの中華料理店に行くことにしました。以前担当していた「まるどりっ! UP」の「旅してちょうない」のコーナーで、2年前にお邪魔したお店です。「覚えてくれていたらうれしいな」と思いながら店の戸を開けると、店主の女性が「いらっしゃいませ…あれ、詠美ちゃん!」と厨房(ちゅうぼう)の中から声をかけてくれたのです。時間がたっても、1度つながったご縁は消えないものだと感じ、心が温かくなりました。
手塩にかけて育てられたイチゴが多くの人に幸せを届けるように、日々お伝えする1つ1つのニュースが誰かの役に立つことを信じて、真摯(しんし)に届け続けたいと思います。(新潟テレビ21アナウンサー)



