乃木坂46が9月2日から3日間、毎年恒例「真夏の全国ツアー2024」ファイナルとなる東京・明治神宮野球場公演を開催した。初開催から10周年を迎えた“聖地”でのライブを記念した「乃木坂46新聞2024」の製作、発売もあり、個人的にも過去の神宮公演を振り返る機会が多かった。
「乃木坂46新聞2024」が発売された8月30日は、初の神宮球場単独ライブ開催からちょうど10周年記念日になる。今年も発行にあたりさまざまなテーマを考えていたが、恥ずかしながら上司から指摘されるまで「神宮ライブ10周年」という事実に気が付かなかった。言い訳がましいがそれだけ時の流れは速く、乃木坂46も長く活動してきたということなのだろう。そう思うと非常に考え…いや感慨深い。
10年前の2014年、乃木坂46には交換留学生として当時SKE48の松井玲奈(33)が加入。同時に生駒里奈(28)がAKB48を兼任しており、選抜総選挙にも参加した。1位は渡辺麻友さん(現在は引退)だった。頂点に君臨するAKB48に、大ブレーク間近の乃木坂46もじわじわと迫っていく…といった構図だったように思う。記者としても目まぐるしい日々だったが、やりがいもあった。
10年間で印象的な公演はいくつもある。15年は「太陽ノック」センター生駒の「神宮~!!」大絶叫から開幕し、千秋楽ではダブルアンコールも起こった。当時のキャプテン桜井玲香(30)の「絶対に皆さんを後悔させないようなグループになります! どこのグループにも負けないようなグループになります!」という感情をあらわにしたスピーチは、今でも語り草だ。
スピーチといえば、1、2期生が全員卒業し3~5期生だけで初めて臨んだ昨年にも。新キャプテンとしてグループ初の神宮球場4日間公演に挑戦した梅澤美波(25)の「とても大きな試練でした。怖さも不安もあったけど、今、先輩達の後をしっかり受け継げたと思います。私たちが、乃木坂46です!」という力強い言葉も、グループの歴史に刻まれている。
都内開催で恒例のライブということもあり、毎年多数の関係者が訪れる。メディア関係者はもちろん、タレントや著名人も多い。中でも1つ、印象的だったエピソードを紹介したい。昨年、テレビ東京系「乃木坂工事中」(日曜深夜0時15分)で長年共演しているバナナマンの設楽統(51)が、三塁側のボックス席からライブを見守っていた時のことだ。
バナナマンは乃木坂46の「公式お兄ちゃん」とも呼ばれ、ファンからも大人気だ。ライブ本編を終えて、スタジアムを「乃木坂46!!」のアンコールが包む中、周囲に座っていたファンが次々と設楽の存在に気づき「設楽!」「バナナ!」などとコールした。
すると設楽は恐縮した様子で、ファンに向かって手で「いやいや」と遠慮した。「俺じゃないから。(主役は)乃木坂だから」と口にしていた。ともすれば、喜んで自分を呼ぶコールをさらにあおってしまってもおかしくない場面。それでも、もうすぐ登場するメンバーたちを立てていた。謙虚で心優しい一面を見て「この人が『公式お兄ちゃん』でよかった」と思った観客も、少なくないだろう。
今年は最新シングル「チートデイ」センターの井上和(19)のスピーチも良かった。先輩たちからも「落ち着いている」と言われる真面目な性格ゆえ、言葉選びが堅かったり、ネガティブになることもあったという。それでも千秋楽では、グループやメンバーに感謝した上で「乃木坂46のためなら、私はなんだってできると思います。みんなと一緒なら、どこへだって行けると思います!」と涙しながら宣言。ダブルアンコールで「本当に本当に、楽しくて、幸せでしたぁ…」と号泣する姿は、等身大の19歳だった。
14年の乃木坂46にとって初めてのスタジアムライブ開催は、神宮球場にとっても00年に行われたTHE ALFEEの公演以来だった。以来恒例となり、10年にわたって20公演以上を開催してきた。メンバーにとっても、ファンにとっても、スタッフにとっても神宮球場は特別な場所だ。記者も同様。昨日のことのように目に浮かぶ映像が多数ある。【横山慧】



