【台湾9日=望月千草】シンガー・ソングライターのなとり(23)が、Taipei Music Centerで、4都市をまわった「natori ONE-MAN LIVE TOUR『行進』」のアジアツアーを完走した。7月から8月にかけて台北や韓国などで開催し、計約2万人を集め、チケットは軒並み完売。台北公演は2日間で9000人と熱い夜を過ごした。
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地面から突き上がる重低音にたき付けられるように、冒頭から熱気帯びたハンズアップが始まった。逆光で表情を陰らしたなとりが「会いたかったぜ、台北!」と勢いよくシャウト。台北開催は2年連続。日本の若き才能を会場も大歓声で出迎えた。
作詞、作曲、編曲を自ら手がけるセルフプロデュースアーティスト。顔は非公開で、独特の歌声と電子音楽、毒っ気をはらむ世界観が人を引きつけ、デビュー曲「Overdose」(22年)は7億回再生(7月時点)の大ヒットを記録し、アジアを中心に人気を拡大中だ。
支持の強さはまがいなく、なとりが「ダンスOK?」とあおれば、その意のままに会場も熱を増す。コールも息ぴったり。「ねえ台北、私のことほんとに愛してくれますか?」と問えば、ファンが「いいよ~!」と日本語でレスポンス。話題曲「プロポーズ」では、「台北の皆さんに今世紀最高のプロポーズを」と粋な歌詞に変更。言語の壁を感じさせない一体感。「泣きそうになった」と語るほどの互いの熱量をぶつけ合いながら、「セレナーデ」など全20曲を熱唱した。
初の海外公演を行った地に、「恩返し」の思いを込めた。最新アルバム「深海」制作の日々の中、海の向こうのファンの存在、声援が心の支えになった。「自分が作った曲が去年に比べてすごく元気になっていて、その元気さっていうのがちゃんとオーディエンスに伝わってる感じもありました」。思いが通じ合うように、公演中は「なとり!」とその歌声を求める声が飛び交った。「また会いましょう!我愛你(人ベンに欠の人が小)!」。新世代ヒットメーカーが、大きくなった背中を世界へ見せ続ける。
○…開催中の初の全国ホールツアー「行進」はソールドアウト。11都市全18公演の開催で約4万5000人を動員する。9日の公演後、本紙などの取材に応じたなとりは、今後の目標に「一番でかいステージにずっといれるアーティストになる」と掲げた。「東京ドームをワンマンでやってみたいって言うのもあるし、すごいざっくりした夢があるんですけど、フェスの大トリをやるっていうのもだし。絶対にかなえていきたいなと思っています」と青写真を描いた。



