矢野顕子(71)が、NHK ワールドJAPANで27、28日放送の「tiny desk concerts JAPAN 矢野顕子」に出演することが24日、同局から発表された。24年12月に放送された、津軽三味線プレーヤー上妻宏光(53)とのユニット「やのとあがつま」で出演して以来、2度目の出演となる。今年、ソロ・デビュー50周年を迎えた今年は、グラミー賞を受賞したベースのウィル・リー(74)と、ドラムのクリス・パーカー(76)と「矢野顕子トリオ」として出演した。

このほど、都内のNHKで行われた収録で、矢野は7月22日にリリースした新アルバム「生きものたちへ」に収録した「THE RIVER」を、CDとは別バージョンで披露。伸びやかで繊細な矢野の歌声と軽やかな演奏、そこに寄り添うような優しいリーとパーカーが刻むリズムが、フロア全体に広がった。矢野は「トリオとして初めて立つことができて、とてもうれしい。このメンバーで、しばらくやってきましたけど、3人の絆は全く変わりません」と、2人への揺るぎない信頼をのぞかせた。

矢野は、左手でピアノ、右手でキーボードを弾きつつ、歌唱するなど、奔放かつ伸びやかなプレーを展開し、代表曲の84年「ラーメンたべたい」や96年「ひとつだけ」を披露。聴き入るNHKの職員の中には、目に涙を浮かべる女性の菅田もあった。

矢野はライブ後、囲み取材に応じ「(場所など)いろいろな制限がある中で、私たちは、ただ音楽がやりたいだけなんだな、ということ、演奏さえしていれば楽しい3人なのが、よく分かる機会で楽しかったです」と満面の笑みを浮かべた。50周年に対する思いを聞かれると「考えてなかったですね。20代の時に、自分が40代になるって、想像つかないでしょ? いつか年、取るか~という感じが、あっという間に年を取り、60代になり、気が付いたら70代になっている。中身は実は変わっていない」と答えた。

11月からは大阪・サンケイホールを皮切りに「矢野顕子 さとがえるコンサート2026 featuring 小原礼・林立夫・佐橋佳幸and Aisa~50年分の感謝を込めて~」を開催する。矢野は「外側だけは衰えていくけれど、中身が変わっていない限り、新しい音楽を作りたいという気持ちに変わらない。状況、年齢に応じたものを、これから作っていくと思います」と笑みを浮かべた。

70代になっても変わらぬ声量、バイタリティーを維持する秘訣(ひけつ)は? と聞かれると「実は、声に関しては何もやっていなくて。ボイストレーニングは、したことがないですし」と答えた。リズムセクション2人との、あうんの呼吸とも言える演奏について聞かれると「ものすごく、お互いの音を聞いている。それで、呼吸で合わせている感じです。長年、やっているところの呼吸なので。目に見えないところでの助け合い、私の曲を良くしてあげたい気持ちがある。彼らは日本語が分からないけれど、同じ気持ちになっている呼吸があります」と答えた。

◆「tiny desk concerts JAPAN」 NHKが、米国の公共放送NPR(National Pnbulic Radio)から音楽プラットフォーム「tiny desk concerts」(小さな机のコンサート)のライセンス供与を受けて制作。同番組は、NPRが08年にインターネットでスタートさせた。アーティストたちは文字通り「NPRオフィスの小さな机」でパフォーマンスし、斬新なコンセプトから生まれたオーガニックなサウンドと親密なライブの雰囲気で、瞬く間に全米の人気コンテンツになった。20年に全世界を襲ったコロナ禍のパンデミックを経て、その人気は全世界に飛び火し、ラインアップはテイラー・スウィフト、BTSを筆頭に、世界のビッグネームの多数を網羅している。