ドラマ「阿修羅(あしゅら)のごとく」などで知られる演出家で元NHKディレクターの和田勉(わだ・べん)さんが14日午前3時17分、食道がんのため川崎市の老人福祉施設で死去した。80歳。三重県出身。葬儀は近親者のみで済ませた。喪主は妻で衣装デザイナーのワダエミ(本名和田恵美子=わだ・えみこ)さん。後日「お別れの会」を開く予定。

 早稲田大卒業後、1953年にNHK入局。大河ドラマ「竜馬がゆく」や「天城越え」「阿修羅-」など話題作を手掛け、看板ディレクターとして活躍。アップを多用した演出で知られ、女優の魅力を引き出す技に定評があった。芸術祭賞で大賞など受賞歴が多く「芸術祭男」の異名をとった。このほか演出ドラマに「ザ・商社」「けものみち」など。

 87年にNHKを定年退職後、映画「ハリマオ」「完全なる飼育」で監督を務めた。陽気なキャラクターをいかしてバラエティー番組にも出演。“ガハハおじさん”と呼ばれ親しまれた。

 [2011年1月18日9時33分]ソーシャルブックマーク