伝説のロックバンド、キャロルのメンバーで歌手のジョニー大倉(60)が7日、同バンドでボーカルだった矢沢永吉(62)への思いを語った。この日はデビュー40周年アルバム「I

 remember

 CAROL」発売記念ライブを東京・銀座タクトで開催。ライブ前に取材に応じ、40年間で最も印象的だったことを問われ、「宿命的に矢沢永吉と出会ったこと」と即答した。

 1975年(昭50)の解散ライブ以来、矢沢との音楽的交流は一切ない。そんな中、今年9月、矢沢が横浜・日産スタジアムで開催した40周年記念ライブで、元キャロルのリードギター内海利勝(59)が、37年ぶりに矢沢との共演を果たした。「矢沢さんの40周年を祝い、何万人ものファンがきた。彼の力。そこで内海君が3曲ほどやったそうですね。うれしいことです」。自身はいなくても、矢沢が再びかつての仲間とステージに立ったことが何よりうれしかった。

 大倉自身は、矢沢との確執が取りざたされてきた。03年5月に「キャロルは矢沢だけのものじゃない。3人(ジョニー、内海、岡崎)は矢沢のバックバンドじゃない」と発言。一方で後日、「確執も誤解が多かった。価値観の違いは相いれなかったけど、強い友情で結ばれていた」とも話した。そんな大倉について関係者は「ジョニーは矢沢さんのことが大好きなんです」と証言する。

 だが、大倉は悟ったように言った。「キャロルという個人個人の集まりはもうないと思う。日本のロックンロールの夜明けで頑張ったキャロルが伝説になった。そのプライドは持って生きたい」。同じ40周年記念ライブで矢沢が集めた約6万5000人に対し、大倉の観客は約150人。それでも「ファンキー・モンキー・ベイビー」など自身が作詞したキャロルの21曲を1人きりで歌いきった。魂を込めて。【山田準】

 ◆キャロル

 72年6月、矢沢永吉(ボーカル、ベース)ジョニー大倉(ボーカル、ギター)内海利勝(リードギター)岡崎ユウ(ドラムス)の4人組で結成。同12月、「ルイジアンナ」でメジャーデビュー。革ジャン、リーゼント、サングラスで一世を風靡(ふうび)、「ファンキー・モンキー・ベイビー」などヒットを出す。75年4月、メンバーの音楽性の不一致を理由に解散。東京・日比谷野外音楽堂で解散コンサートを行った。