乃木坂46桜井玲香(22)と若月佑美(22)が、舞台「嫌われ松子の一生」(9月29日~10月10日、東京・品川プリンスホテルクラブeX)に主演することが3日、分かった。ダブルキャストでそれぞれ主人公の川尻松子を演じ、6人の男たちとの愛憎劇に挑戦する。

 03年に山田宗樹氏が発表した同名の小説が原作。ある事件で中学教師の職を追われた松子が家を飛び出し、次第に転落していく。過酷な運命に翻弄(ほんろう)されながらも、20代前半から50代まで、愛に生き壮絶な人生を送る。脚本は1つだが、桜井出演回を「赤い情熱編」若月出演回を「黒い孤独編」と銘打ち、それぞれ個性あふれる松子を演じるという。

 松子が、出会う6人の男との体当たり演技もある。オレノグラフィティ、吉川純広、なだぎ武、岡田達也、堀越涼、藤田秀世という舞台を中心に活躍する実力派俳優陣との激しい恋愛模様を表現する。数あるアイドルグループの中でも「上品で清楚(せいそ)」が特徴の乃木坂46としては新たな挑戦と言えそうだが、松田誠プロデューサーは「2人は個性は違いますが非常に繊細な側面があり、追い詰められていく松子の心情を描く作品の主演に適任だと思ってます」と話す。

 桜井は「最初は松子のような女性を演じる想像がつきませんでしたが、全く違う自分に出会えることが今からとても楽しみです」とコメント。若月も「松子の壮絶な人生を表現することは簡単ではないし、正直、すごく不安で怖いですが、松子の感情を大事にして演じられればと思っています」と意気込んでいる。

 ◆嫌われ松子の一生 原作小説発表から3年後の06年5月、中島哲也監督のもと、中谷美紀主演で映画化し、興行収入13・1億円のヒット。同年10月クールには内山理名主演で連続ドラマ化(TBS系)。10年4月には長谷部優主演で舞台化もされている。