<2014年間大賞:船釣りブロック>

 2014年度年間大賞発表の大トリは、船釣りブロックです。日刊スポーツ新聞社指定・共栄会に所属する釣り宿計45地区で今年、最大&最多もしくは価値ある釣果をみた人に贈られるもので、その中から静岡・伊東で記録された102キロのクロマグロにスポットを当て紹介しましょう。

 ◆クロマグロ=102キロ

 石井達郎さん(57=堺市)、静岡・伊東「妙法丸」7月21日

 伊東南沖のマグロは、100キロ超がステータス。石井さんがその“夢”の大物と遭遇したのは、同沖でアタックして2日目だ。釣り仲間3人と右舷側に並び、石井さんはトモ(船尾)に釣り座を構えた。前日は巨大なサメを掛けているが、「だれかに釣れそう」な予感はあったという。果たせるかな、釣友らに3回のアタリがあって、いずれもハリス切れでバレた後、ストップフィッシング1時間前の正午ごろだ。エサのサバの泳ぎに任せ、仕掛けを送りだすと、40メートルほど出たところでいきなりギャーッ!

 リールからラインが100メートル以上飛びだした。

 ロッドを持って対応したが、リールを巻いてもそれ以上ラインが出ていく猛烈な引きに耐えられず、10分余りでロッドキーパーに掛け<ウインチファイト>で激闘!

 リールが熱くなり水をかけて冷やすなどしながら45分…やっと船に寄ってきたところで船長が電気ショッカーを投入。最後は滑車を使って取り込み、あまりのデカさに「思わず武者震いした」そうだ。

 石井さんは、釣り歴8年で、ほかにアコウダイやソイなど狙い、沖縄・石垣島で50キロのカンパチも釣っているが、クロマグロは初ゲット。切り身にして釣り仲間と分け合い、残りは親戚や近所に配り、「年賀状に自分と獲物の写真を刷り込んだ」と話す。そして「妙法丸」に来年春の予約を入れた。次の出会いへ、と夢はさらに膨らむ。

 ◆現認・伊東「妙法丸」太田潔代表(71)

 うちが伊東南沖のクロマグロを狙うようになって5年目で、やっと100キロ超が釣れました。しかも石井さんの獲物が今年の第1号。それまでハリス切れなどでバラシばかり。それで電気ショッカーを購入して、それを使ったのも石井さんが初、の“初ずくめ”でサイズのレコード更新は価値ある年間大賞です。