おかえりなさい! 1972年(昭47)のアポロ計画以来54年ぶりの「リフトオフ!」となった国際有人月探査プロジェクト、アルテミス計画で地球を旅立った宇宙船オリオン号が、無事、月周回のミッションを終え、地球に帰還した。打ち上げ時、一直線に飛び立って行くロケットにテレビの画面越しに声援を送った。6日目、人類が史上最も遠い40万キロ離れた月の裏側に到達したという。

送られて来た、クルーが撮影したという地球の映像の美しさに息をのんだ。青い海、白い渦のような雲、一部緑色に縁取られているかに見えるのがオーロラ。ゴツゴツとした武骨な月のかなたにポッカリとみずみずしく浮かんでいる様は神々しく、全宇宙に向かって、私はその星の住人ですよ、と自慢したくなった。

であるというのに、その星で今現在起こっていることに目を向けると、米国とイランの紛争がますます混迷を深めつつある。双方がそれぞれ勝利をアピールし、停戦合意がなされるも事態が収束に向かう気配はなく、不安定な状況が継続している。我が国にとってもホルムズ海峡が閉鎖されていればエネルギーの生命線たるガソリン、天然ガスが供給されず、国民生活が大打撃を被る。備蓄が数カ月分あるといっても当然無尽蔵のものではない。

この状況はいったん何か衝突が起きれば制御不可能な局面にたやすく突入する危うさをはらんでいる。誰にとっても、どの国にとっても損失ばかりの対立は避け、地球人としての英知であるところの対話と抑制で、共存に向けた解決をはかってほしいと、取りあえず平和な日本にあって、ヤキモキしながら祈っている。

それにしても、昔から思っていたのだが、ギリシャ神話の月の女神「アルテミス」と日本神話の太陽の女神「アマテラス」の語感の類似性はいかがしたものであろう。モノの本を調べても、神話レベルの話なので答えが見つかるはずもなく、単なる偶然、として片付けられてしまっているが、私にはどうしてもそうとは思えない。紀元前何千年も昔の太古の時代に共通の源があり、それははるかかなたの宇宙の果てからもたらされた文明の名残なのではなかろうか。

いずれ火星、そして木星、土星、太陽系の外へと人類が飛び出した時、その答えが見つかるのかもしれない、と夢想している。