高市早苗首相は7日、衆院本会議で行われた自身の所信表明演説への代表質問で、先月初入閣させた簗和生農相(47)が、2月の衆院選で首長が自身を支援しなかった地元栃木3区の那須烏山市と那珂川町の道路予算を「大幅にカットした」と非公式会合で発言した問題に、国会で初めて言及した。

「報復減額」のような言及だけに、公明党の岡本三成代表は「予算は政治家の金ではなく国民からお預かりした税金だ」と指摘。簗氏は、予算減額の国交省側への働きかけを否定したが、岡本氏は6日に公表された政府の調査結果は不十分として具体的な理由を示すよう求められたが高市首相は明確に言及しなかった。

高市首相は予算配分に関し「地方公共団体の要望や事業の進捗(しんちょく)状況、重点配分対象の有無などを総合的に勘案して行っている。ご指摘の市、町の道路関連予算もこうした考え方に基づき配分されたと承知している」と主張。「予算配分に政治的な支持、不支持を持ち込まない原則を徹底すると明言を」との求めには、「予算の配分で政治的な支持、不支持を持ち込まないのは当然。あらためて適切な予算配分を徹底する」と応じた。

簗氏は首相の信頼が厚く、衆院選では「私の大事なやなちゃん。知恵袋のやなちゃん」と応援を受けたが、小選挙区で落選し比例復活。選挙に強い顔ぶれがそろった先月の内閣改造で比例復活の簗氏が起用された経緯もあり「総理は簡単に更迭したくないのだろう」との声は与党内にもある。

簗氏は7日、予算カットの国交省への働きかけをあらためて否定。2自治体の予算を照会したのは地元の声を受けたためだと述べたが、内容は「明確に覚えているわけではない」と述べるにとどめた。

高市首相や簗氏は8日以降も国会で追及を受けると思われるが、「スパッと切らなかった以上、総理は簗氏を守り続けるしかない」と不安視する自民党関係者も。高市首相には、簗氏を守ることによるリスクと背中合わせの日々が続く。【中山知子】