岸田文雄首相は11日、ハリス米副大統領とブリンケン国務長官がワシントンの国務省で主催した昼食会に出席した。ユーモアを交えながら、日米首脳会談の成果を強調した。前夜のホワイトハウスでの夕食会に続いて会場の笑いを誘った。米側は岸田氏が好きな野球の話題を提供し、日米の絆の強さを強調した。

日本語であいさつした岸田氏は「スタッフが用意したあいさつ文は、バイデン大統領と『実り多い議論』をしたという言葉で始まる」と切り出し、この言葉は外交官が好む言葉で、往々にして儀礼的な意味しか持たないと話すと、外交関係者が集った会場が沸いた。

「しかし、はっきりと申し上げる。昨日、バイデン大統領と本当に実り多い議論をした。これは文字通りだ」と力強く言い切った。

カリフォルニア州出身のハリス氏は、日本人初のメジャーリーガー、サンフランシスコ・ジャイアンツの村上雅則氏が1964年に幼少期の岸田氏が暮らしていたニューヨークでデビューしたと指摘。ブリンケン氏は、1872年に野球を日本に初めて伝えた米国人教師は岸田氏の母校で教えたと紹介し、日米交流の厚みをアピールした。(共同)