栃木県那須町の河川敷で焼損した男女の遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で逮捕された埼玉県越谷市の建設業平山綾拳容疑者（25）が東京都内の交番に出頭した際、被害男性の所持品とみられる物を持っていたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁と栃木県警の合同捜査本部は、入手の経緯や他の関与者について調べている。

平山容疑者が逮捕後に、遺体で見つかった会社役員宝島龍太郎さん（55）＝東京都千代田区＝について、「名前も知らないし見たこともない。栃木には行っていない」と供述していることも警視庁への取材で分かった。容疑について「（ある人物に）頼まれた」とも話している。

遺棄現場近くで目撃され、県警が押収した平山容疑者の車の中に、被害者が乗っていた形跡や鈍器が残されていたことも判明した。捜査本部は、移動経路や死亡に至る背景を調べる。22日午前、平山容疑者を送検した。

県警などによると、遺体は宝島さんと妻とみられる40～60歳ぐらいの女性。ともに窒息死で、女性の頭や顔には複数の殴打痕があった。遺体はいずれも手足を縛られ、顔は袋とテープで覆われていた。

遺棄現場付近の防犯カメラに平山容疑者の車が写っており、容疑者とみられる男らが乗車していた。逮捕前の任意の事情聴取に「車を貸しただけで殺害には関与していない」との趣旨の説明をしたという。

警視庁は、宝島さんが16日午前0時ごろに都内の防犯カメラに写っており、これが最後の生存確認だと説明していたが、15日午後11時半ごろだったと説明を訂正した。場所は品川区東品川で、妻とみられる女性のほか複数の人物と一緒だった。遺体は16日朝に見つかった。平山容疑者は17日に出頭し、21日に逮捕された。（共同）