栃木県那須町の河川敷で焼損した男女の遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で逮捕された埼玉県越谷市の建設業平山綾拳容疑者（25）の車から、血痕が見つかっていたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁と栃木県警の合同捜査本部が鑑定を進めている。平山容疑者が粘着テープやガソリン、携行缶を東京都や埼玉県の店舗で購入していたことも判明した。

「指示を受けて買った」と供述しており、捜査本部は防犯カメラの映像などから購入を確認した。他にも複数人が事件に関与したとみて調べる。

遺体で見つかった会社役員宝島龍太郎さん（55）＝東京都千代田区＝と、妻とみられる女性はいずれも手足が縛られ、顔は袋とテープで覆われていた。近くには携行缶があった。

出頭して逮捕された平山容疑者の車に宝島さんの所持品や鈍器があったことも判明。平山容疑者は宝島さんについて「名前も知らないし見たこともない。栃木には行っていない」と供述。容疑について「頼まれた」とも話している。

宝島さんと妻とみられる女性は、遺体発見前日の15日午後9時半ごろ、東京・上野で平山容疑者とは別の人物と計3人で歩く姿が防犯カメラの映像などから確認された。その後レンタカーで移動したとみられ、午後11時半ごろには、品川区東品川でも複数の人物と一緒にいる姿が写っていた。

これが最後の生存確認とされ、捜査本部はその後さらに移動し、都内の別の場所で平山容疑者の車に乗せられて栃木県に向かったとみている。

平山容疑者は逮捕前の任意の事情聴取に「車を貸しただけで殺害には関与していない」との趣旨の説明をした。

遺体は16日朝に見つかった。平山容疑者は17日に出頭し、21日に逮捕された。捜査本部は22日、送検した。（共同）