自民党は22日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正の党見解策定に向け、政治資金収支報告書への不記載が悪質だった場合に相当額を没収する仕組みを導入する方向で調整に入った。制度改革に関する作業部会の実務者は23日の会合で党見解を示し、議論する見通しだ。国会議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)の在り方が衆院予算委員会で取り上げられ、再び論点に浮上した。

与野党は、衆院政治改革特別委員会を26日に初開催し、規正法改正に関し各会派が10分ずつ意見表明する日程で合意している。自民はこれまで党見解をまとめていない。

自民の茂木敏充幹事長は記者会見で裏金事件について、収支報告書への不記載が問題だったとして「再発防止策が最優先課題だ」と強調。23日の作業部会会合で、悪質な不記載に対し、相当額を没収し、国庫に納付させる仕組みを議論する考えを示した。議員歳費の国庫返納の場合は公選法の寄付禁止規定に抵触する恐れがあり、法整備が必要だとも語った。

自民幹部は、党見解について23日の作業部会会合で了承を得られれば、24日に公明党と協議したいとの見通しを示した。

岸田文雄首相は22日の衆院予算委で、法改正の論点として<1>議員本人を含む厳罰化<2>収入の第三者による監査徹底<3>デジタル化による政治資金の透明性向上-を挙げ「最低限、行われなければならない」と述べた。旧文通費に関し、各党間の議論再開を自民に指示したとも明らかにした。(共同)