栃木県那須町の河川敷で焼損した男女の遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で逮捕された平山綾拳容疑者(25)の車の中にあった血痕が、DNA型鑑定の結果、被害男性の妻とみられる女性の遺体と一致したことが23日、捜査関係者への取材で分かった。容疑者が事前に購入したガソリンなどについて「遺体の処分のため指示されて買った」と供述していることも判明した。

遺体は会社役員宝島龍太郎さん(55)と妻とみられる女性。車の中からは結束バンドや粘着テープ、妻の免許証が見つかった。血痕はトランク内と後部座席のシート上にあった。

遺体発見直前の16日未明に平山容疑者の車が栃木県内を走行していたことも分かった。警視庁と栃木県警の合同捜査本部は2人が東京都内で平山容疑者の車に乗せられ、栃木に向かったとみている。平山容疑者は「栃木には行っていない」と供述しており、捜査本部は車に乗っていた人物の特定や経緯を調べている。

23日で遺体発見から1週間となり直前の足取りが分かってきた。2人は15日午後9時半ごろ、東京・上野で知人男性と3人で歩いていた。最終生存確認とされる午後11時半ごろには、品川区東品川で宝島さんがレンタカーのワゴン車から降り、この男性を含む知人2人と共に歩く姿が防犯カメラに写っていた。

捜査本部は2人がその後、ワゴン車で移動し、都内の別の場所で平山容疑者の車に乗せられたとみている。(共同)