伊豆諸島の鳥島東方海域で海上自衛隊のSH60K哨戒ヘリコプター2機が墜落し、1人が死亡した事故で、飛行中の2機が向かい合う形で接近し、衝突したとみられることが27日、関係者への取材で分かった。複数機が飛行する際、通常はそれぞれ異なる高度を保つよう指示があるほか、搭乗員はレーダー情報や目視で周辺を確認することになっており、海自が当時の状況を調べている。

事故は27日で発生から1週間。依然7人が行方不明で、機体の主要部分は水深約5500メートルの海底に沈んでいる可能性が高い。この日は海自の海洋観測艦「しょうなん」が現場海域で海底の状況を調べる活動を開始した。

事故は20日深夜に発生。事故機を含む3機がそれぞれ別の護衛艦から飛び立ち、対潜水艦戦訓練に加わっていた。海自護衛艦隊司令官が部隊の作戦遂行能力を確認、評価する「訓練査閲」中で、相手潜水艦の数などが事前に示される通常の訓練とは異なり、より実戦に近い内容だった。

対潜戦でSH60Kはさまざまな任務に当たることになっており、関係者によると、衝突した2機は訓練の中でそれぞれ別の任務を担っていたとみられる。(共同)