ギャバード米国家情報長官は22日、6月30日付で辞任する意向を表明した。トランプ大統領宛ての書簡を公表し、最近がんと診断された夫の闘病に付き添うとした。トランプ氏への忠誠心で知られてきたが、外国への介入反対が持論。イランの核開発を巡って昨年、トランプ氏との意見の相違が表面化し、今年のベネズエラやイランへの攻撃では重要決定に関われていないと指摘されていた。

国家情報長官は閣僚級で、中央情報局(CIA)などの情報機関を統括する。トランプ氏は22日、交流サイト(SNS)でギャバード氏の離任を発表し、ルーカス副長官が長官代行を務めると説明した。ロイター通信は、ギャバード氏の辞任はホワイトハウスの圧力を受けたものだと伝えた。

一方、ギャバード氏は書簡でトランプ氏への謝意を示し、トランプ氏もSNSに「素晴らしい仕事をした。寂しくなる」と投稿。辞任は関係悪化によるものではないとアピールした。

第2次トランプ政権の閣僚では、これまでにノーム前国土安全保障長官、ボンディ前司法長官、チャベスデリマー前労働長官が職を退いた。

ギャバード氏はかつて野党民主党の下院議員で、2022年に離党後、保守的な主張を展開してトランプ氏に接近。シリアで当時のアサド大統領と面会したり、ウクライナに侵攻するロシアを擁護したりした過去の言動が物議を醸した。

25年には、広島や長崎に投下された原爆の被害に触れて核兵器廃絶を訴える動画声明を公開。米政権高官による異例の発言で注目された。

今年3月にはギャバード氏が監督する国家テロ対策センターのケント所長がイラン攻撃反対を訴えて辞任を発表。ギャバード氏はケント氏に信頼を寄せていたという。(共同)