藤井聡太棋聖(竜王・名人・王位・棋王・王将=23)が7連覇まであと1勝とした。19日、栃木県日光市「日光金谷ホテル」で行われた将棋のヒューリック杯第97期棋聖戦5番勝負第2局で、タイトル戦初登場の服部慎一郎七段(26)を下し、連勝した。このまま3期連続でストレート防衛を果たすか、服部が一矢報いるか。第3局は7月1日、静岡県沼津市「沼津御用邸東附属邸第1学問所」で行われる。
盤面の視界が一気に開けた。9筋を攻めていた後手の藤井が一転、3筋の歩を伸ばす。一瞬のスキを逃さず、攻撃目標を転換。一歩千金、中段に浮いた飛車を捕獲する。詰みまで一直線に押し切った。「相掛かりからお互いの主張がぶつかり合って、1手1手難しかった。飛車が取れる形になったので、指しやすくなったと思いました」。
18日に現地入りする前、両対局者は東京都墨田区にある「東京スカイツリー」の展望台へ上がった。雲が垂れ込めていた。関東平野を一望できる360度のパノラマは見られなかった。その分、盤上で晴れわたり、勝利の景色を見届けた。
これで栃木県でのタイトル戦は8戦8勝。トップの京都府の11戦11勝には及ばないが、開幕局(木更津市「龍宮城スパホテル三日月」)を制した千葉県と並んだ。
今年3月に、栃木県ではタイトル逆転防衛への足掛かりを築いた。1勝3敗で迎えた永瀬拓矢九段との王将戦7番勝負の第5局(3月8、9日、大田原市「ホテル花月」)、1勝2敗で迎えた増田康宏八段との棋王戦5番勝負第4局(同15日、日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」)と連勝した。今月16日、東京都千代田区「ホテルニューオータニ」で行われた棋王就位式で第4局を「好転のきっかけ」と評したように、「ダブルかど番」から押し返し、6冠を堅持した。
棋聖戦は好相性県で連勝。V7へ視界が開けてきた。次は5年前にタイトル初防衛を果たした沼津市だ。「ここまで2局の経験を生かして、第3局も集中して臨めればと思います。第3局も集中して臨めれば」と気を引き締めていた。

