高市早苗首相は米東部時間22日(日本時間23日)、米ニューヨークで就任後初となる国連総会の一般討論演説を行った。高性能な人工知能(AI)のリスクに対処するため、同志国との協力強化を訴えた。国際刑事裁判所(ICC)を「一貫して支持」しているとの立場を明示。米政権がICCの赤根智子所長らを制裁対象に指定した問題には触れなかった。ロシアと北朝鮮の軍事協力による核・ミサイル技術の拡散に懸念を表明した。
AIの進歩について「人類に飛躍的な機会をもたらす一方、安全保障上の挑戦にもなっている」と指摘。事実に基づかない情報やプロパガンダの拡散への対策も急務だと主張した。日本での「AIサミット」の早期開催を提唱した。
法の支配を重視する日本の立場に関し、ICCを含むさまざまな国際裁判所に判事を輩出していることにも表れていると強調。イランが事実上封鎖するホルムズ海峡の自由で安全な通航は国際経済全体の安定に極めて重要だと訴えた。
外交方針「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の進化について説明。緊迫が続く中東情勢を受け、湾岸諸国の経済・エネルギー供給の強靱化に向けて、包括的な協力計画をまとめていると述べた。アジア太平洋と湾岸諸国の連携強化にも意欲を示した。
アジア各国の石油備蓄などを後押しする日本主導の金融支援枠組み「パワー・アジア」の取り組みを紹介した。中国を念頭に「恣意的な輸出規制に対する懸念が強まっている」とし、重要鉱物などの供給網強靱化を提起した。
国連安全保障理事会の常任理事国ロシアによるウクライナ侵攻を挙げ、安保理の機能不全と改革の必要性を主張した。北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け「私には対話し、具体的に行動する用意がある」と首脳会談を呼びかけた。
世界各地で頻発する自然災害を踏まえ、日本は「世界一の防災大国」を目指すとし、2027年10月に仙台市で「アジア太平洋防災閣僚級会議」を開催すると明らかにした。気候変動対策に注力する考えを示した。(共同)

