稲田朋美防衛相は7日の会見で、九州豪雨で特別警報が出ていた6日昼、私的な会合出席で約1時間10分、防衛省を不在にした問題を追及され、「お昼(ご飯)は出たが、食事はせずに戻った」と、悪びれずに釈明した。外出目的は公務ではなく、防衛関連の民間人との勉強会といい、危機管理に欠ける緊張感のなさに、批判が拡大している。

 自衛隊員が被災地で過酷な活動にあたる中、任務を統括するはずの大臣が不在。副大臣、政務官を合わせた「政務三役」も、約40分間役所に不在で、政権への批判に拍車をかけている。

 稲田氏は、「しっかり情報を受け、適切に指示できる態勢だった。15分程度で戻れる場所にもいた」と、反論。「時間を短縮し、説明をして質問を受け、防衛省に戻った」と説明したが、有事を受けてキャンセルも可能だったはずだ。「会合を優先したのか」と記者に指摘された稲田氏は「優先したことはない」と述べたが、報道陣から「優先じゃないか」と怒声が飛んだ。

 父が自衛官だった民進党の野田佳彦幹事長は、党会合で「隊員の士気にもかかわる。罷免を強く求めたい」と指摘。「(都議選応援の失言など)既にレッドカードで退場なのに、居残っているからこんな問題が起きる」と、更迭しない安倍晋三首相も切り捨てた。

 稲田氏はこの日、都内のホテルで政治資金パーティーを予定していたが、こちらは急きょキャンセル。事務所によると、「諸般の事情を考慮した」という。