関西限定販売の新たなお土産「忖度まんじゅう」(9個入り、734円=税込み)が爆発的にヒットしている。大阪市福島区の企画会社「ヘソプロダクション」が商品化。土産店からは注文が殺到し、売り切れる店が続出している。

 大阪・ミナミの道頓堀の土産店には30日、話題の「忖度まんじゅう」を求める客が多く訪れた。「忖度ありますか?」に店員が何度も応対した。

 辞書風のパッケージの中央には縦書きで「忖度」。言葉の横には「そんたく」と読み方も。さらに「人の心をおしはかること」という意味が書かれ、「相手の真意を-する」の例文もある。白いまんじゅう1つ1つには「忖度」の焼き印が入っている。

 ヘソプロダクションの稲本ミノル社長(41)は「得意先から忖度ってなにか商売ならへんのかな。そういう言葉をいただいた。得意先のニーズを忖度しました」。

 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で一躍注目を浴びた「忖度」の商品化には、シャレが最もわかる土地柄の大阪でも賛否が分かれた。最近では「忖度」に加計問題も加わった。それでも6月中旬に発売すると約1カ月で約1万箱を出荷した。

 同社を立ち上げて2年半だが、稲本社長は「すごい爆発力。これまでで一番のヒット商品です」。上司や取引先などにお土産として買い求めるビジネスマンが多いという。「9個入っているので忖度は9人分です」と同社長。現在は生産が追いつかず、謝罪の日々だが「忖度まんじゅうなのにお得意さんに忖度してもらえない」とうれしい悲鳴? を上げている。【松浦隆司】