公式戦29連勝の新記録を樹立した将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(15)が22日、大阪市の関西将棋会館で指された朝日杯オープン戦1次予選トーナメント3回戦で竹内雄悟四段(29)を破り、公式戦通算38勝目(3敗)を挙げた。

 この日午前には同杯予選2回戦で難敵の大石直嗣六段(27)に166手で勝利した。公式戦は4連勝。1局目の勝利で本年度の勝率を9割に戻した。

 1日2勝に藤井は「苦しい将棋で、かなり負けに近づいた局面もあった。粘り強くいきました」と振り返った。これで本年度は28勝3敗。勝率9割3厘で堂々のトップ。対局数、勝利数でもトップの3冠。

 次戦は24日、棋王戦本戦の初戦でトップ棋士の豊島将之八段(27)と対戦する。豊島八段は名人戦順位戦の最上位A級に在籍。最多29連勝を達成した中学生がA級棋士と公式戦で戦うのは初めて。藤井は「A級の先生と実践で教わることができるのはとても楽しみです。いい将棋にできるように全力でいきたい」と力を込めた。

 大盤解説会ではファンと交流した藤井は「連勝が止まっても注目していただけるのはうれしい」と笑顔を見せた。