陸上男子100メートルで日本人初の9秒台を記録した桐生祥秀(21=東洋大4年)の快挙に、群馬県桐生市もお祝いムードだ。“同名”のよしみで、14年から市を挙げて応援を続けてきたといい、観光交流課の深沢明男さん(45)は「本当にうれしい。『おめでとう』と伝えたい」と話した。

 深沢さんによると、当初は「勝手に応援」していたというが、市内で保育園などを経営する小池文司さん(80)が東洋大陸上部のOB会長だった縁で、本人とも交流がスタート。市の特産品を贈った際には、桐生がツイッターにお礼の文章を投稿するなど、交流が続いている。

 市では、桐生の記録達成を信じ、約2年前から「桐生選手、日本新9秒台突破おめでとう」の横断幕も用意。深沢さんは「ずっと倉庫にしまっていたが、ようやく日の目を見ることができます」と、うれしそうだった。週明け11日には、市内の幼稚園で園児たちがこの横断幕を掲げるセレモニーも行われるという。

 ◆東洋大陸上部OB会名誉会長の小池文司さんの話 大学で(桐生に)会って、桐生市の話をしたら「じゃあ(交流を)やりましょう」と喜んでいた。(記録は)日本の歴史を築いたんだから立派なもの。東京オリンピックを目指して、頑張ってほしい。