東京メトロ銀座線の銀座駅ホームで27日、乗客が線路に落下する事故があり、進入車両が緊急停止した。

 発生時刻は午後0時9分ごろ。目撃者によると、つえを突きながら歩く年配男性が、千鳥足でホーム際に近づき、そのまま落下したという。直後に非常停止ボタンが押され、ホームには大音量の警告音が鳴り響いた。

 即座に東京メトロの職員が現場に駆けつけ、1人は線路に下りて男性の状態を確認。しかし、渋谷行きの列車が駅へ近づき、3、4人の駅員がホームから両手で手を振り、運転士に止まるよう訴えた。停車したのは落下した男性から約30メートル手前。間一髪だった。その間約3分ほどの出来事だった。

 男性は頭から落ちたため、顔面に裂傷を負い流血し、立ち上がれない状況だった。目撃者の女性によると、男性の手荷物にあった紙袋の中には酒が数本入っていたという。男性を後から押すなどした人物は見当たらず、1人で落下したようだとも証言した。救助後の男性は意識があり、警察官の問いに「酒を飲んでいた」と話していた。