お笑いコンビ、キングコングの西野亮廣(37)が企画した「あらためて新成人を祝う会」が4日、横浜港大さん橋国際客船ターミナルで行われた。同イベントは、何らかの事情で成人式に出席することができなかった新成人が対象。先月8日「成人の日」に突然、営業を取りやめた振り袖の販売・レンタル業「はれのひ」の被害を受けた人など約100人が参加した。

 西野が「はれのひ被害」に遭った新成人に対して、「大人になる日に大人が裏切ってしまったことを、同じ大人として、とても申し訳なく、そして恥ずかしく思っています」(ブログから)という思いを持って始まったこの企画。着付けやヘアメーク、写真撮影など、60以上の企業のスタッフと、ボランティアら、計約300人が協力し、新成人に笑顔を届けた。

 晴れ着姿を披露した新成人には、スタッフや家族から「おめでとう!」という温かい声とともに、大きな拍手が送られた。

 はれのひで着物をレンタルし、成人式に参加できなかった横浜市の大学生、松田知恵さん(20)は「本当にうれしいし、ありがたい気持ちでいっぱい。行動を起こしてくれる大人の方々に救われました」と笑顔で話した。母、恵さんも「成人式では晴れ着姿を見られなかった。(娘は)本当にキレイです」と感無量の表情。ただ、はれのひの話になると「こんな事件が起こるなんて思っていなかった。お金はもう返ってこないと思う」と憤りを隠せなかった。

 横浜市の大学生、長佐古(ながさこ)南さん(20)は、昨秋に交通事故に遭った影響で、成人式には出席できなかった。「私は、はれのひの被害者ではないが、こうやって祝ってもらえてうれしい。一生心に残ると思う」と話した。

 新成人らはこのあとドレスに着替え、午後6時ごろから、横浜港を出港する船に乗り約2時間のクルージングを楽しむ。同船には西野も乗る予定で、さまざまな企画も用意されているという。