確定申告初日の16日、森友学園の国有地取得問題をめぐり、財務省理財局長時代の国会答弁と、食い違いが続々と表面化している佐川宣寿国税庁長官に対し、国民が罷免や証人喚問を求める「納税者一揆」が、国税庁前で行われた。

 「国民をなめんな」「音声録音にうそはない」などのカードを掲げ、約1000人が集結。「うそつき佐川を罷免しろ」などと声をあげた。主催者は「佐川氏は、(確定申告の作業に当たる)税務署の職員にとっても迷惑な存在になっている、1日も早く辞めるべきだ」「中立公正であるべき公務員の立場をゆがめている」と、厳しく批判した。

 怒りの矛先は佐川氏の辞任要求を突っぱね、佐川氏を守り続ける麻生太郎財務相や、安倍晋三首相にも波及。「安倍首相の『適材適所』は、自分のボロを隠してくれること。あなたには適材でも、国民には裏切り者だ」との声も聞かれた。

 森友問題に関する資料を「すべて廃棄した」と主張していた佐川氏だが、ここにきて、財務省の内部文書が明るみに出ているほか、佐川氏が否定していた事前の価格交渉の様子を録音した音声データを、15日に共産党が公表。佐川氏はじわじわ追い詰められてきているが、与党側は野党の証人喚問要求に応じる構えはみせていない。