平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)カーリング女子の日本代表が熱戦の末に3位決定戦に回るなど、競技の認知度は高まっているが、一般への普及には課題があるようだ。記者が相模原市内の体験教室を取材した。

 五輪期間でもあり、同市中央区の「銀河アリーナ」には、平日夜にもかかわらず、20人近い参加者が集まった。教室は11月から4月まで、第3木曜と金曜に午後8時半から約2時間、開催。氷上を歩く練習から、ストーンの握り方、フォームなどを教えてくれる。

 革靴で氷上に立つと当たり前だが、よくすべる。さらに、ストーンを投げる時に前足の下に敷く「スライダー」に乗ると、ツルッツルだ。未体験の滑りっぷりに、自然と笑顔になる。40メートル先のサークルまでの遠さや、1つ20キロのストーンの重さを実感できる。

 日本カーリング協会によると、専用シートは全国に11カ所、仮設シートは33カ所。専用は北海道と長野だけで、仮設では他競技の後に製氷から準備するため、早朝か夜遅い時間しか開催できない。全国の選手登録者は2300人だが、半分は北海道で、青森と長野が約200人ずつ。五輪のたびに人気は出るが、施設は少なく、選手層拡大には課題が多いという。

 銀河アリーナでの教室は1991年(平3)から27年の歴史があるが、今季で幕を閉じる。参加者が少ないのが理由だ。市スケート協会の杉山節生さんは、日本代表の活躍をたたえつつ「さらなる強化には裾野の拡大が必要なのに、残念だ」と肩を落とす。それでも、「ハーフシート(20メートル)の体験会など、形を変えてでも普及を続けたい」と前を向いた。【清水優】

 ◆カーリング 15世紀にスコットランドで発祥したとされ、当時は底の平らな川石を氷上に滑らせていたという。名称は、投げられた石がゆっくり回転(カール)することから。98年長野五輪から正式競技。14年ソチ五輪では、カナダが男女ともに金メダル獲得。