安倍晋三首相は19日の参院予算委員会で、森友学園をめぐる財務省の文書改ざん問題で、自身が昨年2月に「自分や妻の関与があれば総理も議員も辞める」と発言したことが、財務省を改ざんに走らせたとの見方を否定した。

 改ざん前の文書には、昭恵夫人の名前が他の政治家に交じって書かれているが、改ざん後はすべて削除されている。また、財務省側の改ざんが始まったのが、首相答弁直後の昨年2月下旬であることも、疑念を深める結果になっている。

 首相は、「(改ざん前文書に)名前が出ていることと、関与していたことは別のことだ」と主張。改ざんが行われた昨年2月下旬から4月には、学園が建設を進めた小学校の名誉校長に昭恵氏が一時就任していたことなどが「すでに報じられ、国会でも議論になっていた」と指摘。「陳情したとは書いていない。関与を示すことはまったくない」と訴えた。

 その上で、「理財局、近畿財務局の決裁文書について存在すら知らず、私は(削除の)指示のしようがない」と述べ、自身の改ざん指示はないと断言した。

 また、夫人に関しては「一時、名誉校長を務めており、疑念の目を向けられるのは当然のこと。名誉職については一部をのぞき、辞任させていただく」とも述べた。

 首相は今回の改ざんについて、冒頭で「行政全体に対する国民の信頼を揺るがすこと。最終的な責任は私にある。あらためて国民の皆様におわびしたい」と陳謝した。