森友学園への国有地売却に関する財務省の文書改ざん問題をめぐり、佐川宣寿・前国税庁長官(60)の証人喚問が27日午後2時、衆院の予算委員会で行われた。

 佐川氏は、理財局長時代の17年に2月に衆院予算委員会で、先陣を切って質問した経緯のある共産党の宮本岳志氏から追及を受け、17年の答弁が虚偽だったことを認めた。

 佐川氏は、破棄したと答弁していた理財局と森友学園との交渉記録が財務省から出てきたことについて、宮本氏から「破棄したのは虚偽答弁か」と質問が飛ぶと「2月20日をもって廃棄したというのは、財務省の文書管理記録を用いて答弁した。丁寧さを欠いた。申し訳ない」と謝罪した。

 宮本氏から「そういう問題じゃない。2月24日の私へのあなたの答弁は、財務局で確認をしていなかったという答弁だった。午前中の参院での答弁か、どちらかがウソ?」と追及されると、佐川氏は「管理記録を確認したと答弁した。申し訳ありません。文書取扱規則を(ベースに)話していた。昨年の答弁が議員の言う主張(虚偽)」と認め、その上で「私自身、虚偽という認識はなかった」と答えた。

 宮本氏は「規定をただ、ただ確認したでは通らない。確認していなかったから、丁寧さを欠いたのではない。午前中の答弁か、昨年の答弁がどっちかが虚偽だろう。全く納得できない」と怒りをあらわにした。

 理財局が書き換えを明らかにしたことについて「書き換えの事実があったと認めたのは書き換え前、後のものを確認したからか」と聞かれると「報道が出て、国会が空転するような状態になったのを踏まえ、決裁文書を提出したときの局長として責任を感じた。事実関係については財務省の理財局が提出し、書き換えがあったと認識している」などと答えた。

 さらに「書き換え、書き換え後の2つの文書は確認したか」と聞かれると「12日の財務省の調査結果は見た」とだけ答えた。

 宮本氏は「全然、不十分。不動産鑑定をやったから適正だと繰り返すが、会計検査院から8億円、差し引いたのはまともなもんじゃなかったと出ている。正当だとは全く通らない」と怒り心頭だった。