前川喜平・前文科事務次官(63)は14日、福岡県北九州市で講演し、加計学園の獣医学部新設計画に関し、安倍晋三首相が事前に了承していたはずとの認識を示した。

 柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が、15年4月2日に県や市の職員らと官邸で面会した際に、獣医学部新設が「首相案件」と述べたとの記載がある「愛媛文書」が表面化しているが、前川氏は「安倍さんは(首相案件ということを)言っていると思う。(首相の)明白な意思表示がないと(役人は)ああいう文書はつくれない」と指摘した。

 「(首相の)説明責任は満載だ」とも述べた。

 首相はこれまで国会答弁で、昨年1月20日に新設計画を初めて知ったと答弁している。一方で、「愛媛文書」が明らかになったことで、15年4月2日に柳瀬氏が「首相案件」と言ったとされることとの整合性が、取れない状態になっている。