「原発ゼロ」を訴える小泉純一郎元首相(76)が、与野党激突の構図となる新潟県知事選(24日告示、6月10日投開票)の告示前日となる23日に同県入りし、現地で講演する予定を立てていることが16日、分かった。

 同知事選は、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題が大きな争点。野党統一候補として出馬する池田千賀子氏(57)は、同原発の再稼働に慎重だった前職の方針を踏襲する意向だ。小泉氏は日ごろから政局や選挙応援に関与しない意向を示し、今回も純粋な選挙応援ではない。しかし原発政策が争点になる選挙戦の告示前日に、影響力ある小泉氏が地元で原発ゼロを訴えることは、再稼働推進方針を掲げる安倍政権や自民党には、大きな脅威となる。

 小泉氏は先月、安倍晋三首相の自民党総裁選3選に懐疑的な見方を示し、対立路線を深める。状況次第では当日、池田氏を激励するとの見方もある。自民党は前海上保安庁次長の花角(はなずみ)英世氏(59)を支援。原発政策については、検証の上、将来の脱原発社会を目指すとしている。