安倍晋三首相は27日の党首討論で、自民党の二階俊博幹事長が26日の講演で「この頃、子どもを産まない方が幸せじゃないかと、勝手なことを考える人がいる」と発言し、批判が広がっている問題について、「基本的には、産むか、産まないかの選択は、本人に委ねられるべきだ」と述べた。 立憲民主党の枝野幸男代表の質問に答えた。

 首相は「私の家庭も残念ながら、子宝に恵まれなかった」と、自身の家庭の状況にも言及。「子どもを産みたいという思いを持っておられる方が産むことができる社会をつくるために、さまざまな施策を講じていく」と述べた。

 枝野氏は、二階氏の発言を「子どもを産むかどうかは基本的に自己決定するもので、第三者が口を挟む問題ではない」と批判した。一方で、自身もなかなか子宝に恵まれなかったことを明かし、「長年、不妊治療に取り組み、10年弱で恵まれた。今の総理の子育てへの思いは、真摯(しんし)な思いだと受け止めたい」と、首相の主張に理解を示した。

 その上で、「ただ二階氏の発言は看過できない。若手の方のおかしな発言はともかく、党ナンバー2の発言。十分なご指導をしてほしい」と、二階氏への指導を要求した。

 一方、二階氏は26日の講演で、貧困問題に触れた際にも「今は食べるのに困る家はない。こんなに素晴らしい幸せな国はない」と言及。この発言についても、枝野氏にただされた首相は「二階さんのご年齢(79歳)だから、戦後のころと比べたのだと思う。その時期からは、日本ははるかに豊かになっているが、さまざまな困難を抱えている人がいるのは事実。不幸にして、そういう状況になってしまった方がいるのも承知している」と述べ、現実の状況に応じた政策を進める意向を示し、理解を求めた。