2020年東京オリンピック・パラリンピック調整会議が12日午前、都内で行われ、聖火台の設置場所について検討する委員会を立ち上げる方針を決めた。

 開閉会式、大会期間中、大会後にどの場所に置くかを大会組織委員会、東京都、国が議論する。オブザーバーとして日本オリンピック委員会(JOC)、日本パラリンピック委員会(JPC)、メインスタジアムの新国立競技場を所管する日本スポーツ振興センター(JSC)が入る予定。

 組織委の武藤敏郎事務総長によると、開閉会式では競技場内に聖火台を設け、式典のクライマックスである点火、納火などを行うが、新国立の構造上の問題などを踏まえ、陸上などの競技が行われる大会期間中は、競技場の外に設置する可能性が高いという。

 実際、12年ロンドン大会では、式典中にメインスタジアム中央で点火し、大会中は観客席横のスペースに移動。16年リオデジャネイロ大会では、マラカナンスタジアムで点火後、大会期間中は競技場から約5キロ離れた、多くの人が集まる海浜公園に設置された。

 組織委によると、国際オリンピック委員会(IOC)はチケットを持たない人も五輪ムードを楽しめるような場所への設置を推奨しているという。組織委の布村幸彦副事務総長は「新国立のすぐ外かもしくは、近くではない場所も検討の範囲」と語った。

 大会後は、組織委が解散するため都や国が主体的に管理していく。レガシーとして、どの場所に設置するかも同委員会で検討する。

 聖火台のデザインは開閉会式の演出に深く関わるため、今夏に決まる演出家が検討する。

 また、1964年(昭39)東京五輪で使用された旧聖火台を被災地で巡回展示することも調整会議内で報告された。現在は宮城県石巻市に設置されているが、来年4月以降に岩手、来夏に福島で展示し、その後は制作者の故郷である埼玉県川口市に移動し、修繕する。最終的には新国立に展示する。