小泉純一郎元首相(76)は15日、都内で開かれた自由党の小沢一郎共同代表(76)が主催する「小沢一郎政治塾」で講演した。

 自民党時代、田中派系と福田派系と異なる派閥に属し、1993年に小沢氏が自民党を離党して、たもとを分かった2人が、今回のような良好な形で交流するのは、約30年ぶり。講演後、2人はそろって取材に応じる異例の対応をみせた。おもな一問一答は以下の通り。

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-今日の感想をひとこと

 小沢氏 小泉総理が、(政治塾の講演に)もしかしたら来ていただけるかもしれないという話をうかがい、私もそうだが、塾生や(自由党の)国会議員にも話を聞かせてやりたいと思った。ぜひお願いしますということで実現した。しばらくぶりに小泉節を聞いた。非常に面白い、私も初めて知ったこともたくさんあったし、とてもいいお話を聞かせていただき、感謝している。

 小泉氏 小沢さんからこういう話がくるとは、夢にも思っていなかった。私が思っていることをお話しした。

-講演の中で、小泉氏が訴える「原発ゼロ」は、与野党関係ないと。今後、原発ゼロで連携を深めていくことは

 小泉氏 連携というかね、それぞれの立場はある。原発運動は、今まではどちらかというと野党系、革新系が多かった。これからは保守といわれた人が、声をあげることが大事。与党も野党もない、保守も革新もない。そういう国民運動を盛り上げるため、保守といわれた小沢さんが関わってくれることが大事ではないか。

-来年の参院選では、野党候補を応援するのか

 小泉氏 選挙運動には一切かかわらない。それ以外の、原発ゼロに関する活動はするが。

-原発ゼロは、野党勢力結集の旗印にするのか

 小沢氏 小泉氏から(講演で)お話があった通り、原発は将来長期間にわたり、国民の生活に深刻な影響をもたらす。野党としても原発ゼロ、脱原発を最大の政策目標として掲げていきたい。小泉氏が直接、選挙や政治に関わるかは別として、総理総裁をなさった方が原発ゼロを国民に話してもらっていることは、それだけでも心強い。今度もこの主張を強くやっていきたい。

-安倍首相も、保守の立場だ

 小泉氏 (安倍首相が在任中に)ゼロの立場に切り替えることはもうできないと思うが、将来はそういう人が(首相の立場の人からも)出てくると思う。(一問一問<2>に続く)