2020年東京オリンピック・パラリンピックの主会場となる新国立競技場(東京・新宿区)に関する関係閣僚会議が3日に開かれ、陸上で使用するトラックについて、整備する団体を日本スポーツ振興センター(JSC)から、大会組織委員会に変更すると報告された。

 従前のトラックはウレタン仕様だったが昨年8月、国際オリンピック委員会(IOC)や国際陸上競技連盟(IAAF)が組織委を通じて、ゴム仕様のメーカー「モンド社」(イタリア)を指定。しかし、JSCは公共発注者のため1社指定はできないと断った。その後、組織委が主体となって整備を請け負うとの連絡があり、約3億円の整備区分が組織委側に移った。

 組織委によると、IFが指定した競技装置、用具を使わなければならないというIOCの規定があるため、今回の措置に至った。モンド社が無償で新国立に整備する契約だという。

 また、旧国立の解体工事で当初の予定より約27億円、上下水道の工法変更などで今後約20億円増えるとの見込みから、整備費が約47億円増加することも報告された。大成建設JVによる技術提案時の本体工事費約1490億円に変更はないが、今年4月、JV側から物価上昇分の請求があったため現在、JSCが精査中。11月を目途に、本体工事費も見直す。【三須一紀】