年末の風物詩、「『現代用語の基礎知識』選 2018ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語が7日、発表された。冬季オリンピック(五輪)、サッカーワールドカップ(W杯)とビッグイベントが続いた今年はスポーツ界のワードが目立った。平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)で銅メダルを獲得したカーリング女子代表の「LS北見」は「もぐもぐタイム」「そだねー」の2語が候補入り。ほかに「(大迫)半端ないって」「金足農旋風」「なおみ節」など、平成最後の年を彩った言葉が並んだ。年間大賞とトップ10は、12月3日に発表される。

スポーツや、そこで活躍する選手のありのままの姿などが、そっくり言葉として表現された。選考委員は候補となった30語について、「パワハラ問題や日本選手の活躍が続いたスポーツ界の用語が目立った」としている。

LS北見のメンバーがハーフタイム中、エネルギー補給のためにスイーツやフルーツなどをおいしそうに食べる姿、「そだねー」と話すのもテレビで流れた。メンバーの1人、吉田知那美(27)は遠征先の韓国で、「自分たちに関わる言葉がノミネートされてびっくり。うれしい」と笑顔を見せた。

日本代表がベスト16入りしたサッカーロシアW杯では「(大迫)半端ないって」が大流行した。FW大迫勇也(28)は1次リーグコロンビア戦で決勝ゴールを決め、一躍ヒーローに。高校時代に対戦し、敗れたチームの主将が発した言葉が拡散され、脚光を浴びた。

今年100回記念となった夏の高校野球では、強豪校を次々となぎ倒し、準優勝した金足農が旋風を起こした。ほか大リーグエンゼルスの大谷翔平(24)の活躍を称した「翔タイム」、テニス全米オープンを日本勢として初めて制した大坂なおみ(21)の「なおみ節」も候補入りした。

スポーツ選手の等身大の姿が評価される一方、日大アメフト部の選手を指導者が追い込んで反則を強要した「悪質タックル」、当時の日本ボクシング連盟会長の出身である奈良県の選手に有利な判定をしたとされる「奈良判定」など、闇の部分が明るみに出たのも今年の特徴だった。

◆新語・流行語大賞 1984年(昭59)に制定された。審査委員会が毎年12月上旬にトップ10と年間大賞を選ぶ。03年から「ユーキャン新語・流行語大賞」と改称された。昨年は「忖度(そんたく)」「インスタ映え」の2語が年間大賞に選ばれた。