私的な投資の損失を日産自動車に付け替えたとして特別背任容疑で再逮捕された、前会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の勾留理由開示手続きが8日、東京地裁で開かれた。昨年11月19日に金融商品取引法違反の疑いで逮捕後、初の公の場で、ゴーン容疑者は「私は無実だ」と声高に訴えた。弁護人によると、接見の際は心情を吐露せず、取り調べの対処法を尋ねるなど、妥協なき合理化を目指した経営者らしい顔を見せているという。弁護側は同日、勾留の取り消しを東京地裁に請求した。

ゴーン容疑者を一目見ようとこの日、14席の一般傍聴席を求め、1122人が肌寒い朝の東京地裁に並んだ。倍率は約80倍で、日産自動車の株主の姿も見られた。抽選は“大物”の法廷で運用されることが多い「リストバンド方式」で、法廷も清原和博氏、ASKA、酒井法子らが裁かれた425法廷。地裁前には、海外メディアも多く集まった。