東京都議会の19年第1回定例会は20日、初日から大混乱に陥った。議事運営の方針をめぐる、知事与党や知事に距離を置く会派間での対立が解けず、午後1時予定だった開会は、夕方に1度再開したまま休憩に入り、本格的な審議は、日をまたいで、ほぼ半日遅れの21日午前0時すぎに開始。小池百合子知事の施政方針説明を含む議事日程は、21日午前1時45分ごろ、ようやく終わった。初日の審議は2日がかりだった。

混乱の背景は、旧築地市場跡地(東京都中央区)再開発をめぐる補正予算案審議に関する対立だった。跡地の管理主体を市場会計から一般会計に移し、一般会計から5400億円を支出するとした小池氏側の提案に、自民や共産などが反発。立憲民主なども加えた6会派で、小池氏に委員会への出席と一問一答の質疑に応じるよう要求した。

これに対し、都民ファーストの会や公明党は当初応じず、調整が難航。また都民ファの対応に公明が不信感を感じるなど、知事与党内でも態度にずれが生じ、混乱が広がった。

最終的に、尾崎大介議長が調整に動き、自民などが求めていた委員会での小池氏への一問一答の質疑が、「経済・港湾委員会」で行われる方向になった。

質疑を拒んできた都民ファ側が、追い込まれた形になったが、都議会自民党の幹部は「市場会計から一般会計に移した理由を、知事の説明で都民に知ってもらうのは当然。質疑は当たり前のことだ」と強調した。

一方、小池氏は本会議終了後の21日未明、「(委員会での質疑は)議会がお決めになること。今回、築地の問題など、みなさんと審議ができる機会をいただけたと思う」と述べ、委員会に出席する意向を示した。

議会の開会前から、会派間対立や委員会開催をめぐる混乱が続発。小池氏を支えるはずの都民ファの根回し不足や、公明との足並みの乱れも露呈。予想された混乱への不安が、初日から的中した。前日19日に政治資金パーティーを開き、来年の都知事選の再選出馬を見据えた小池氏だが、議会初日からつまずく形となった。【中山知子】