働き方改革が注目を集める中、多様な働き方を模索する動きが出てきている。

「まだ、正社員として働きたくない」「人生経験としていろいろな経験をしたい」。近年、こういった若者が増え、短期の人材派遣サービスが好評を博している。

短期専門の人材派遣会社「ネクストレベル」(本社・大阪市)ではWEBで登録後、「日付」「エリア」「職種」などの条件を選択すると、多種多様の仕事が掲載される。同社の河原由次社長(33)は「正直、ここまで反響があるとは思わなかった。驚くと同時に、これだけ皆さんが困っていたんだなとも感じた」と話した。

同社は08年に設立。リーマン・ショックで一時的な落ち込みはあったが、河原氏が「これからはさまざまな仕事を渡り歩く若者が増える」と推測し、短期専門の人材派遣サービスを始めた。インターネット上で情報が拡散され、毎月3~5万人の新規登録が続き、現在の総登録者数は国内で100万人以上だ。グループを含めた同社の年商は来季、過去最高となる100億円超えが確実視されている。「今の日本の若者は学生時代の『体験』が少ない。就職活動する学生や、社会人になっても自分で何がやりたいのか見つからない人が多い。そういった若者に弊社のサービスがマッチした。今後は、さらに短期で仕事を体験して、社会経験を積む若者が増えると思う」と河原氏は先読みした。

今年4月から働き方改革関連法が施行される。正社員だけでなく、諸条件はあるが、短期派遣やアルバイトも残業の上限規制と年5日以上の有給休暇の取得が義務化される。そのため、有給を取得しながら別の短期派遣バイトなどを行う若者が、さらに増えることが考えられる。

また、人材派遣大手「パソナ」は育児のために一線を退いた女性の仕事復帰に力を入れている。条件に合った仕事紹介だけでなく、スキルアップのための講座や保育所の設置などの福利厚生を充実させ、女性が生き生きと働く機会を創出している。

「平成」の終わりまで、あと2カ月となった。時代とともに働き方も変わりつつある。