日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)の弁護人を務める高野隆弁護士が8日、同被告が保釈される際に、変装を提案したことについて、自身のブログで、謝罪した。

高野弁護士は「カルロス・ゴーン氏の釈放に際して行われた『変装劇』はすべて私が計画して実行したものです」と、作業服での東京・小菅の東京拘置所を出る際の案を計画したことを認めた。

高野弁護士は、変装を計画した理由について「保釈決定を受けた弁護人の最初の課題は、釈放後速やかにかつ安全に依頼人を『制限住居』に届けることです。彼にそこで家族とともに社会生活を再建してもらわなければなりません。ゴーン氏が素顔をさらして住居に向かったとすれば、間違いなく膨大な数のカメラがバイクやハイヤーやヘリコプターに乗って彼を追いかけたでしょう。彼の小さな住居は全世界に知れ渡ります」と、同氏を守るための計画だったことを説明。

その方法として「私の頭に閃いたのが昨日の方法でした。それは失敗しました。しかし、その後に奇跡が起こり、どうにかゴーン氏とその家族は『制限住居』において自由人として再会することができました。しかし、私の未熟な計画のために彼が生涯をかけて築き上げてきた名声に泥を塗る結果となってしまいました」と反省した。

同弁護士は続けて「今回私の計画に進んで協力してくれた私の友人たちに大きな迷惑をかけてしまいました。私はたくさんの人に有形無形の損害を与えてしまいました。とても申し訳なく思っています」と謝罪。

最後にマスコミに向けてお願いも付け加えた。「どんな著名人にも身近な人と心安らぐ場所が必要です。心おきなく疲れをいやす場所が必要です。どのような庶民にも生活の糧を得るために安全に働く権利があります。この当たり前のことをご理解ください」とつづった。