菅義偉官房長官は1日、官邸で会見し、「平成」に代わる新元号を「令和(れいわ)」と発表した。

万葉集の梅の花の詩、32首の余分にある「時、初春の令月(れいげつ)にして、氣淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かをら)す」から引用。

1日午前9時半から開いた有識者懇談会で、ノーベル医学生理学賞を受賞した京大の山中伸弥教授、直木賞作家の林真理子さんらから意見を聴取。大島理森衆院議長、伊達忠一参院議長の意見聴取も踏まえ、全閣僚会議で協議、臨時閣議で新元号を決定した。

今回は、天皇陛下の退位に伴い、皇位継承前に行われる憲政史上初の新元号公表。国民の間では、さまざまな「元号予想」も飛び交ってきた。

新元号に関する法的基準はないが、79年の大平内閣時代に出された閣議報告の「元号選定手続き」には、

<1>国民の理想としてふさわしいような意味を持つ

<2>漢字2文字であること

<3>書きやすいこと

<4>読みやすいこと

<5>これまでに元号またはおくり名として用いられていないこと

<6>俗用されていないこと

以上、6点が挙げられていた。

645年の「大化」から現在の「平成」まで、247の元号のうち、確認できるものはすべて中国の古典が出典元だった。一方、今回政府は、新元号の考案を委託した専門家を、国文学、漢文学、日本史学、東洋史学と明かし、首相の支持基盤でもある保守層からは、初めて日本古典が選ばれることへの期待が出ていた。