会社法違反(特別背任)などで起訴された、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)が4日、オマーンの代理店側に日産の資金を不正送金した会社法違反(特別背任)容疑で、東京地検特捜部に4度目の逮捕をされたことを受けて、弁護団の弘中惇一郎弁護士(73)と小佐々奨弁護士が同日午後、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。

弘中弁護士は、ゴーン容疑者が再逮捕を予見して、逮捕前に動画を撮っていたことを明らかにし、今後、公開する意向を示した。同弁護士は「再逮捕はされると思っていたので、動画の形で記録していた。最低限、言うべき声明はしているかと思う。今後、公開する予定がある」と説明した。

ゴーン容疑者は前日3日にツイッターアカウントを開設し「何が起きているのか真実をお話しする準備をしています。4月11日木曜日に記者会見をします」(原文のまま)と11日に会見を開く考えを明かしていた。その会見について、弘中弁護士は「会見が口封じ…逮捕によって妨害された。現在、それが危うくなっている実情がある」と現実的には11日の会見は難しいことを改めて口にした。その上で、ゴーン容疑者が残した動画について「会見と同じことを言っているかは分からないが」と答えた。

ツイッターでの投稿をはじめ、インターネット接続ができるパソコンの使用について、改めて保釈条件にかなうものだったのか? との質問も出た。それに対し、弘中弁護士は「保釈条件については高野(隆)弁護士が詳しいが、インターネット使用が禁止されてるとは理解していない」と答えた。

質疑応答では、会見の冒頭で「よもや、逮捕というのは全く予想できなかった」と口にしたことに対し、TBS系「報道特集」の金平茂紀キャスターから「読みが甘かったのではないか?」との質問も飛んだ。それに対し、弘中弁護士は「読みが甘かったというのは、よく分からない。あってはならないこと、と(いう意味で)言ったが当然、想定したし議論はした。あってはならないこと、ということで言った」と反論した。【村上幸将】