新紙幣5000円札は、津田梅子の肖像が「反転」された? ままで5年後にデビューする方向だ。

新紙幣の図案は津田塾大が提供した津田梅子の写真と顔の向きが逆で「反転」の可能性が高い。16日、財務省は「反転などの加工は問題ない」と公表されたままで発行することを明らかにしたが、同大OGの作家北原みのりさん、同大の現役学生からは違和感を覚えるとの声が上がった。

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津田塾大卒業生で作家の北原みのりさんは、新5000円札の図案変更を強く求めた。「まず変だし、なめている気がする。伊藤博文だったら反転します? という感じです」と、反転疑惑のある新紙幣を切って捨てた。卒業生として、創立者であり、女子教育の先駆者である津田梅子の写真を数多く目にしてきた。「もっと学術的なイメージの写真もたくさんある。(図案は)津田梅子の知的な感じがしない。なぜ36歳ごろの着物姿なんだろうと思う」と、素朴な疑問を投げかけた。

自身も写真を反転された経験がある。トークショーイベントのチラシに顔写真が掲載されたが「反転」されたものだった。「何かおかしいと思ったら反転でした。左右が逆なだけで、自分じゃないみたいで気持ち悪い。アゴとか、目の雰囲気が違うんですよ」と、強い違和感を感じたことを強調した。そして、「梅子の気持ちがよく分かる」と声を大にした。

新紙幣の発行までは5年の猶予期間がある。「梅子の図案を再考してもらいたいです。あと5年もあるんですから。人の尊厳の問題なので大切なこと。軽んじてはいけない」と、強い口調で締めくくった。