兵庫県南あわじ市で26日、無職福本勤さん(82)が成犬の土佐犬1匹を飼育していた犬舎の中で、背中が血まみれの状態で倒れており、現場で死亡が確認された。全身にかまれた跡があり、兵庫県警南あわじ署は、土佐犬を世話中に襲われたものとみて、慎重に捜査を進めている。

南あわじ署によると、福本さんは孫が飼育している3匹と知人男性から預かった1匹の土佐犬に、犬舎で餌を与えるなど世話をしていた。同日も午後5時ころに家を出たが、帰ってこないのを不審に思った妻が様子を見に行ったところ、犬舎の中で福本さんが倒れており、衣服の背中の部分が破れていた。驚いた妻が三男に報告し、その三男から報告を受けた長男が同日午後8時41分、119番通報した。土佐犬が犬舎の中で暴れていたため、駆け付けた警察官が麻酔銃で眠らせた上で、27日午前0時55分に福本さんの死亡を確認。土佐犬は証拠として同署に移送した。

現場の犬舎は縦2・6メートル、横3・9メートル、高さ1・4メートルで鉄製の柵で囲われていた。犬舎の中は、1匹ずつ飼育できるよう、横は1・3メートルごとに区切られていた。福本さんは、その1室で知人男性から預かった土佐犬の世話をしていた中、襲われた模様だ。

福本さんは1人で犬舎に行ったため、福本さんに何が起きたか直接、見た人はいないという。また犬が暴れていたため、体長やオス、メスなどの種別を調べることが出来ておらず、詳細は不明だという。捜査関係者は「福本さんの検視、土佐犬の処遇含め、詳細は検討中。ご家族をはじめ慎重に捜査していく」と話した。【村上幸将】