大阪府警は5日、違法な高利で女性に金を貸していたとして、大阪府千早赤阪村人事財政課付主査の男(36)を出資法違反(超高金利)容疑で逮捕した。男は5月16日に、大阪府に無登録で貸金業を営んだとして貸金業法違反(無登録営業)の疑いで逮捕、起訴されていた。

男は、ブラックリストに入るなどして融資先が見つからない女性に対し、肉体関係を持つことを貸し付け条件に融資を持ち掛け、女性3人に金を貸し付けていた。捜査関係者によると「(貸金業を営むに当たり)知事の登録は受けていない。貸し付けた後、女性と性行為をしました」などと容疑を認めている。

逮捕容疑は、16年8月23日から2月28日までの間、1人の女性に1日当たり0・55%、もう1人の女性に2・32%と、法定利息の0・3%を超える高金利で2人合わせて26万円を貸し付け、80万9400円の利息を受領した疑い。

八尾署によると、男は2012年(平24)以降、インターネットで個人間融資の掲示板を見つけ、信用情報に傷がつき融資先が見つからない女性に、肉体関係を貸し付け条件として貸し付けを持ち掛ける「ひととき融資」の手法を発見。「ノウハウを得た」として、大阪府に無登録で“闇金”の道に足を踏み入れた。そして17年6月11日から18年9月20日にかけて、1人の女性に5万円と6万円、もう1人の女性に17万円、別の女性に5万円を手渡しで貸した。その際、毎月、性行為に応じるよう口答で約束させ、対面した際に女性が性行為を断れば、1回につき5000円の利息を徴収していたという。

八尾署によると、捜査の段階で差し押さえた16人の女性に対する金銭借用書には、利息のほか「完済までに少なくとも1月数回、指定の場所で対面」との記載があった。対面した際、何をするかは明記せず、口答で性行為を求めていた。

男が務めていた千早赤阪村の松本昌親村長は、今回の逮捕を受けて「法を守るべき立場にある公務員として、あってはならない行為。村政への信頼を著しく失墜させ、まことに申し訳ない限り。服務規律の確保、綱紀粛正の徹底を図りたい。事実関係を確認して、厳正に対処する」とのコメントを発表した。

◆大阪府千早赤阪村(ちはやあかさかむら) 南東部、南河内郡にある大阪府唯一の村。南北朝の武将楠木正成生誕の地と言われ、史跡「楠公誕生地」には楠公産湯の井戸がある。居城「千早城」を築いた金剛山も有名。人口5367人。【村上幸将】