お盆の帰省ラッシュ真っただ中の東北道・佐野サービスエリア(SA)上り線で、14日未明から、フードコート、売店の営業が一斉にストップした。

同SAを運営する、栃木県佐野市のケイセイ・フーズの従業員がストライキを起こしたため。トイレや自動販売機の利用は出来るものの、一部の屋台以外の飲食はできず、お土産も買えず、利用者は困惑している。

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佐野SA上り線は、名物「佐野ラーメン」や同市仙波の郷土料理「耳うどん」が評判で、ゆるキャラ「さのまる」とのコラボ商品も人気だ。だが、最も利用客が多い書き入れ時のお盆の時期に、完全ストップしてしまった。トイレは使用でき、缶飲料の自動販売機などは利用できるが、飲食はほぼできない状況だ。

SAは、東北道を管理、運営するNEXCO東日本が保有する施設を、子会社のネクセリア東日本が貸与する形で、フードコートや店舗の管理・運営は、同社とテナント契約を結んだ会社が行うシステム。佐野SA上りで、その業務を行っていたケイセイ・フーズの従業員が、14日未明からストライキを敢行。店の前には「ケイセイ・フーズ岸敏夫社長の経営方針にはついていけません。これは従業員と取引先のみなさんの総意です。解雇された部長と支配人の復職と、経営陣の退陣を求めます」などと書かれた貼り紙が掲出された。

SAに駆け付けたネクセリア東日本の関係者は「元々、地元の企業に道路ができてからずっとお願いしていた。サービスエリアがやっていないなんて見たことも、聞いたこともない。お盆の忙しい時期にあり得ない。とにかく早く開けてくれと話をした」と困惑を隠せない。ケイセイ・フーズの問題に関しては「社内の問題だったり仕入れ業者との間には基本的には関与するところではない」と話した。ケイセイ・フーズに商品を納入する業者も「1年で1番の繁忙期でこのようになってしまった。早く再開して欲しい」と話した。

仙台市から東京に向かう途中、立ち寄った女性(32)は「ニュースを見てビックリしました。佐野ラーメンを食べたことがあるので残念。解決した際には、また利用したい」と事態の早期沈静化を望んだ。