任期満了に伴う埼玉県知事選(25日投開票)は18日、選挙戦ラストサンデーを迎えた。自民、公明両党が推薦する元プロ野球選手のスポーツライター青島健太氏(61)と、立憲民主党など4野党が支援する元参院議員、大野元裕氏(55)の事実上の一騎打ち。

自民党と対立を続けた上田清司知事の退任に伴い、16年ぶりに新人同士の激突。激突型の大型知事選だけに、政権与党と野党の幹部が埼玉で舌戦を展開。国政選挙並みの戦いとなっている。

この日、朝霞市の青島氏の遊説には、告示前に続き菅義偉官房長官が入った。ヤクルトで活躍した青島氏が、慶大野球部主将だった経緯に触れて「当時から常にまとめ役だったそうだ。順風満帆ではなかったが、人間力で道を切り開いてきた」と紹介。青島氏は「国とのパイプを生かし、骨太の埼玉をダイナミックにつくっていきたい」と訴えた。菅氏以外にも、閣僚や自民党幹部が日替わりで応援。20年東京大会での連携を見据え、鈴木俊一五輪相も応援に駆けつけている。

一方、大野氏は三郷市などで集会を開催。同県川口市長だった祖父に学んだ「政治家の覚悟」や、防衛政務官も務めた9年の国会議員時代を振り返り「経験をフル活用しないと、問題山積の埼玉では対応できない」と、政治経験のない青島氏との差を訴えた。17日には埼玉が地元の立民、枝野幸男代表や、国民民主党の玉木雄一郎代表が共闘応援し「だれかの操り人形のリーダーではだめだ」(枝野氏)と、青島氏を批判。大野氏を後継とする上田知事も「知名度だけなら、長嶋茂雄さんに知事になってもらうしかない。知名度か政策かの戦いだ」と訴えた。

結果は安倍政権VS野党の攻防にも影響する。ここにきて、告示直前に出馬を取りやめた元参院議員の行田邦子氏(53)が16日、自身のSNSに投稿した動画で青島氏支持を宣言。波紋を広げている。【中山知子】